実験音楽にとっての1年はどうだったのだろう。各誌の年間ベストにはRaime “Quarter
Turns Over a Living Line”やActress “R.I.P”といった内省的な作品が名を連ねる中、個人的にはこの壮大な挑戦に勝るものはなかったと思う。約1時間ノンストップに鳴り続けるシンセサイザーとビートの嵐・・・それはまるで永遠に続くジェットコースターのように聴き手の五感や重力を奪い、宇宙空間へと連れ去っていく。誤解のないように言っておく。これはジョン・コルトレーンやフライング・ロータスが提示する精神の極点としての宇宙ではなく、映画『プロメテウス』で描かれているような、未知の恐怖で埋め尽くされる不気味な洞窟だ。しかし、最大の驚きはこれがダブステップのベテランによる作品だということだろう。彼の音楽に対する信念は、本作で幾度となく繰り替えされるはフレーズが象徴している:「音楽は未来の兵器/現実は明確だ」
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