もっとも革新的だった一枚。ベテランプロデューサーとしては既に名の知れているトラックスマンが、デビュー作となるこのアルバムで果たした役割は2つある。ひとつはシカゴの路上で生まれたフットワークという音楽を世界中のリスナーの耳に届けたという快挙。もうひとつ、そしてより重要だと思うのは、フットワークをもう一段上のレベルに持って行ったことだ。冒頭“Footworkin On
Air”でフットワークから「重力」を抜くという離れ業をやってのけたあとは、たたみかけるようにジャズ/ハードロック/ソウル/ポップスを横断。乾いたビートと瞬間的な音の連鎖で構成される独特のダンス・ミュージック(日本人は踊れないのでご注意)は、不作だったダブステップの存在を忘れさせるほどの輝きを放っていた。31年というDJ歴も伊達ではなく、18曲というボリュームを違和感なくつないでいる。
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