2011年12月27日火曜日

Best of 2011 #7 - salyu×salyu “s(o)un(d)beams”


彼女が念頭に置いて小山田圭吾にプロデュースを依頼したと語る「クロッシング・ハーモニー」(詳しくは彼女のインタビューを参照して欲しい)というコンセプトが実現できたかどうかは別として、日本の女性ポップシンガーにしては近年稀に見る野心的な試みであったことは間違いない。完璧主義(だと思う)な彼女にとって「声」以外の殆どのパートを他者に委託するという決断は簡単ではなかったはずだが、坂本慎太郎氏の作詞を筆頭に多彩な才能が加わったことで、良い意味で力の抜けた作品となった。サリュの力強いハーモニーとコーネリアス節全開のミニマリズムに圧倒される前半も素晴らしいが、最後に収録された“続きを”の普遍的なポップネスは特別な響きを持って3.11後の僕の心を揺らした。

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