安藤裕子が昨年『J POP』というアルバムを出していたが、僕にとってはこのアルバムこそがJ POPだ。つまり、それは女の歌謡曲である。それは、この国の大衆音楽自体が後ろ向きなものであることを意味するが、プライベートで何かあったときに帰るべき場所がきちんと用意されているという点では、ああ日本人男子でよかったと思うこともある。そんな僕にとって"にじみ"における二階堂和美の歌は「帰るべき場所」の役割を見事に果たしてくれていて、あの時告白しなかったことを悔やむ主婦も(“女はつらいよ”)これから始まる恋に焦がれる少女も(“あなたと歩くの”)、自由自在に表現できてしまうその才能には脱帽。
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