2013年12月28日土曜日

Best of 2013 #5 - Daft Punk “Random Access Memories”






“Tron”のサントラを除いて)8年ぶりの新作を発表して世間を沸かしたかと思えば、世間が求めていたEDM (electronic dance music)に中指を立てて高品質のファンク・ミュージックに舵を切った問題作。8ビートのファンクネスを極めた至福の冒頭4分間 “Give Life Back to Music”や伝説のプロデューサー、ジョルジオ・モロダーのモノローグが精密に組み込まれる “Giorgio by Moroder”、カリフォルニアのビーチになびく風のように爽やかなペダル・スティールが美しい “Fragments of Time”など楽曲の完成度には舌を巻くばかり。また、ナイル・ロジャース(その後、Disclosureと素晴らしいシングルを出している)やポール・ウィリアムズといった近年あまり注目されてこなかったアーティストの起用が音楽シーンにもたらした影響も大きい。唯一の欠点は、あまりに時代のムードとかけ離れていたこと。これだけの作品でも世論を変えられなかったのは、彼ら自身が作り出したDJという虚像が肥大化し、ダンス・ミュージックを飲み込んでしまったからに他ならない。






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