2012年6月20日水曜日

細胞で感じるダブ—Moritz Von Oswald Trio



ニマル界のバトルスとでも言おうか。なにせ、モーリッツ・フォン・ オズワルド(ベーシック・チャンネル, リズム&サウンド)、マックス・ローダーバウアー(サン・エレクトリック, NSI)、ヴラディスラフ・ディレイ(LUOMO, Uusitalo)という、ジャーマン・エレクトロニカの大御所を集めたスーパーグループだ。まぁ、そんなことはどうでもいい・・・なぜなら、彼らはその肩書きに恥じることなく刺激的な音楽を鳴らし、「ミニマル・ダブ」という未開のジャンルをダンスフロアにまで持って行ったからだ。最大の魅力は、聞き手を飽きさせない音色を生み出す創造性と、生演奏であることを強く意識させる独特のグルーヴを携えた「バンド」であるところだ。電子音楽、特にミニマル・ミュージックの分野で彼らのようなバンド感を持ったアーティストは希有で・・・というよりそんなことをできるのが彼らぐらいなのだろう。

どの作品も素晴らしいが、ダビーなベース、トライバルなパーカッション、そしてグリッチ音が縦横無尽に交差するデビュー盤『Vertical Ascent』のクールな熱情は、雑踏や台風のやかましいノイズを消し去ってくれるだろう。身体ではなく、そのさらに奥。細胞で感じるダブ—それがモーリッツ・フォン・オズワルド・トリオだ。






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